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リビングで伸びをする女性_小上がり畳

家づくりコラム

【注文住宅】おしゃれだけど要注意!「小上がり畳スペース」で失敗する罠TOP3

リビングで伸びをする女性_小上がり畳

注文住宅の間取りづくりにおいて、リビングの一角に設ける『小上がり畳スペース』は非常に人気の高い設計の一つです。
「フローリングのリビングにおしゃれな和の空間を取り入れたい」「段差の下を大容量の引き出し収納にして便利に使いたい」「ちょっと腰掛けてくつろげる場所が欲しい」と、多くの方が理想を膨らませて採用を検討されます。

しかし、その一方で、小上がりの高さや広さの寸法をなんとなく適当に決めてしまった結果、入居後に大きな後悔を抱えるケースが後を絶ちません。

「思っていたよりも圧迫感があって落ち着かない」
「段差が微妙で、座りにくいし、つまずきやすい」
「せっかくの広いリビングが、小上がりのせいで狭く見えてしまう」

このような失敗は、小上がりという特別な空間が持つ特性を正確に理解していなかったことによって引き起こされます。

この記事では、数多くの家づくりをサポートしてきたプロの視点から、憧れの小上がり畳スペースを後悔の種にしないために知っておくべき「よくある失敗の罠TOP3」と、それを防ぐための目的別の正しい設計術を徹底的に解説します。

これから間取りを考える方は、ぜひ参考にしてください。

頭を抱える女性_天井高が低い

第3位:頭上に圧迫感が出てしまう、天井高の罠

小上がり畳スペースを設ける際、平面の間取り図ばかりを見ていると、どうしても見落としてしまうのが縦の空間(高さ)のバランスです。
これが、小上がりづくりにおける第3位の失敗「頭上に圧迫感が出てしまう」という問題を引き起こします。

床が上がる分、天井が迫ってくるという事実

当たり前のことですが、床を高くした分、畳の表面から天井までの距離は短くなります。

一般的な住宅の天井高は2.4m(240cm)に設定されていることが多いです。
ここに、収納力を確保しようとして40cmの小上がりを作ったとしましょう。
すると、畳の上の天井高は2m(200cm)くらいまで下がってしまうことになります。

天井高が2mとなると、高身長の方は特に、立ち上がった際に頭の上にすぐ天井が迫ってくるように感じられ、強い圧迫感を感じてしまいやすいです。
開放感のある広々としたリビングを目指していたはずが、小上がりに立つたびに窮屈さを感じるようになっては本末転倒です。

【プロの対策】天井高を上げるか、おこもり感を演出するか

この圧迫感を解消するための対策としては、大きく分けて2つのアプローチがあります。

一つ目は、物理的に天井を高くする方法です。
小上がりの上の天井の一部だけを、周囲より一段高くする「折り上げ天井」にする方法があります。
これにより、床が上がった分の空間を上部で補うことができ、圧迫感を軽減して開放感を保つことができます。

二つ目は、逆転の発想です。
いっそのこと、あえて天井を低いままにし、落ち着ける場所(おこもり空間)として割り切るという方法もあります。
茶室や隠れ家のように、少し天井が低い方が座ったり寝転がったりした時に心が落ち着くという心理効果もあります。
自分たちが小上がりで「どのように過ごしたいか」を併せてぜひ検討してみてください。

和室でくつろぐ女性_小上がり畳

第2位:低すぎて腰掛けづらい、中途半端な段差の罠

続いて第2位は、小上がりの段差の高さに関する失敗です。
「あまり段差が大きいと危ないかもしれないから、とりあえず少しだけ段差をつけておこう」と、中途半端な高さを選んでしまうと、非常に使い勝手の悪い空間になってしまいます。

「20cmの段差」は百害あって一利なし!?

小上がりの段差を20cm前後にしてしまうと、大人がベンチのように腰掛けるには少々低く、立ち座りの際に人によっては膝に大きな負担がかかってしまいます。

さらに恐ろしいのは、高齢の方が部屋を歩いていて小上がりに上がろうとした時です。
20cmという高さは、無意識にすり足でまたぐにはけっこう高いため、足をぶつけてつまずいて転倒しやすい危険な高さなのです。
腰掛けるにも低く、歩くには邪魔になるという、まさに「中途半端な段差の罠」と言えます。

【プロの対策】目的別に最適な「高さ」を選ぶ

小上がりの高さは、「誰が」「何のために」使うかによって、最適な寸法が変わります。
目的に合わせて高さを明確に設定しましょう。

ベンチのように腰掛けて使用したい場合

ダイニングチェアと同じように座ってくつろぎたい場合は、高さを「35cm〜40cm」にすると座りやすくなります。
さらにこの高さがあれば、床下を大容量の「引き出し収納」として活用したり、ロボット掃除機の基地としてくり抜いて活用したりすることも十分に可能です。

子どもの遊び場やお昼寝スペースとして使う場合

小さなお子さまがいるご家庭で、落下や転倒の危険を減らしたい場合は、つまずきにくい「10cm〜15cm」の低い段差にするのがおすすめです。

また、無理に段差をつける必要がないのであれば、あえて小上がりにしないフラットな和室(畳コーナー)も検討しましょう。
段差がないフラットな空間なら、老後も安心です。

家づくりの悩み_イメージ

第1位:LDKが狭くなる、面積分断と掃除手間の罠

小上がり畳スペースで失敗する罠の堂々第1位は、「LDK全体が狭く感じてしまうこと」です。
これは、限られた坪数の中で無理に小上がりを詰め込もうとした際に起こる、最も深刻な後悔ポイントです。

床面積が分断され、視覚的な広さが失われる

あまり広くないLDKに無理に小上がりを作ってしまうと、段差によって床面積が視覚的にも物理的にも分断されてしまいます。
床がフラットに繋がっていれば広く見える空間も、途中で大きな段差のブロックが出現することで、人によっては部屋がより狭く感じられる場合があります。

さらに、段差があることでソファやダイニングテーブルといった家具が配置しづらくなり、インテリアの自由度が大きく奪われます。

また、リビングの床と小上がりの床で段差があるため、ロボット掃除機が自力で乗り越えられないため、そのつど本体を持ち上げる必要があり、毎日の家事の手間が増える原因にもなります。

【プロの対策】LDK全体の「バランス」と「広さ」を見極める

こうした点が心配な方は、小上がりを作る前提条件として、LDK全体の広さをしっかりと確保することが求められます。

プロの目線から言うと、小上がりを作るなら、LDKで「18畳以上」の広さを確保するのが理想です。
18畳以上のゆとりがあれば、小上がりを作ってもリビングやダイニングのスペースが極端に圧迫されることを防げます。

もし、建物の坪数の関係で18畳以上のLDKを確保するのが難しい場合は、無理に小上がりを作るのではなく、リビングと一体化して広く使えるフラットな畳コーナーにするか、思い切って畳スペースをなくしてリビングを最大限に広くするなど、他の部屋との広さ配分もしっかり考慮して、バランスよく設計しましょう。

広いリビングでくつろぐファミリー

まとめ:小上がりは「何のために作るか」で大正解にも大失敗にもなる

今回は、小上がり畳スペースで失敗する罠TOP3をご紹介しました。

頭上に圧迫感が出てしまう(天井高とのバランス不足)
低すぎて腰掛けづらい(中途半端な段差設定)
LDKが狭くなる(部屋全体の広さ不足)

小上がり畳スペースは、決して「とりあえず作っておけば便利でおしゃれ」というものではありません。
「お昼寝をする場所」「洗濯物を畳む場所」「家族が腰掛けてテレビを見る場所」など、目的をはっきりとさせ、それに合わせた高さとLDK全体の広さを緻密に計算することが成功の秘訣です。

初めてのマイホームづくりで絶対に失敗したくない方は、今回ご紹介した対策を参考に、自分たちのライフスタイルに本当にフィットする空間づくりを目指してくださいね。

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