【2025年版】注文住宅で「もう選ばれない」設備6選!後悔しないための新基準
注文住宅を建てるなら、設備選びにも目を配り、納得のいく住まいをつくりたいものです。
以前は定番だった設備も、今ではあまり選ばれなくなってきたケースが増えています。
2025年現在、選ばれる機会が減ってきている住宅設備を6つ取り上げ、背景や理由を解説します。
これから家づくりを始める方は、ぜひ設備選びの参考にしてみてください。
もう選ばれない!?注文住宅の設備が時代遅れになる理由
注文住宅の設備選びでは「どれを選ぶべきか?」と迷う方も多いでしょう。
SNSやカタログで魅力的に見える設備の中には、今ではあまり選ばれないものも紛れています。
なぜなら、暮らしに求められるものが変わってきたためです。
ここでは、選ばれなくなった背景を解説し、マイホームの設備選びに役立つヒントをお届けします。
数年前の常識が、今では非常識に?
注文住宅の設備は一度設置すると長期間使い続けるため、数年の間に流行が大きく変わってしまう場合もあります。
たとえば以前は、価格を優先してアルミサッシを選んだり、収納量を増やすために吊り戸棚を多用したりするケースが一般的でした。
現在は、省エネ性能や使い勝手、将来のメンテナンス性が重視されるようになり、こうした設備は時代遅れとされる場面が増えています。
情報収集を始めたばかりの方は昔のイメージに影響されやすいため、現在は選ばれなくなっている設備についても理解を深めておくと安心です。
設備選びの失敗は、コストだけでなく暮らしにも影響
設備選びの失敗例として、「使うつもりで取り付けたのに出番がない」「便利そうに見えて、かえって手間が増えた」といったケースが挙げられます。
高い位置にある吊り戸棚もそのひとつです。
使いにくさから、「踏み台がないと届かない」「入れたものを忘れてしまう」などの不満が出やすくなっています。
一見コストを抑えられたように見えても、早期のメンテナンスや光熱費の負担がかさみ、結果的に割高になる場合もあります。
注文住宅では、「人気だから」「皆が採用しているから」ではなく、暮らしに合った設備かどうかを見極める視点が欠かせません。
2025年現在「選ばれなくなってきている設備」6選
暮らし方や住宅性能の進化に伴い、注文住宅の設備に求められる基準も少しずつ変わってきました。
ここでは、2025年現在あまり採用されなくなってきている設備を6つ厳選して紹介します。
なぜ選ばれなくなったのか、今どのような選択肢が選ばれているのかについても解説しましょう。
1. 断熱性の低いアルミサッシの窓
窓は、住宅の中でもとくに熱の出入りが多い場所です。
夏に約7割の熱が入り込み、冬は暖房の熱の約5割が窓を通じて出ていくと言われており、断熱性への影響は非常に大きい部分です。
断熱性への関心が高まる中、アルミサッシや単板ガラスでは快適な室温を保ちにくく、冷暖房にかかる光熱費も増える傾向があります。
2025年以降は、省エネ基準に適さない住宅の新築が制限される見込みで、YKK APも2027年度には住宅用アルミサッシの製造を終了する予定です。
今後は、樹脂との複合サッシやトリプルガラスなど高断熱仕様が主流になります。
新築時には、窓の断熱性をしっかり確認しましょう。
(参考:YKK AP株式会社「断熱性 | 技術基準・関連法規 | 法令・制度」)
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2. 高所にある吊り戸棚(洗面所・キッチン)
かつては収納を増やす目的で、天井付近に設置する吊り戸棚が一般的でした。
しかし今では、「高くて手が届かない」「中に何を入れたか忘れる」といった理由で使わなくなるケースが目立ちます。
踏み台が必要な高さでは使いづらく、結果的に使われないままの収納になってしまう場合も少なくありません。
最近は、上部をオープン棚にして見せる収納にしたり、パントリーや引き出しを活用したりと、使いやすさを重視した間取りが増えています。
大切なのは収納の量ではなく、日常でどれだけ使いやすいかです。
吊り戸棚を設けるかどうかは、生活スタイルに合うかを基準に判断しましょう。
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3. 小上がりの和室
床を一段高くした畳スペース、いわゆる小上がり和室は、「収納が増える」「子どもの昼寝に最適」といった理由から、以前は多くの家庭で採用されていました。
しかし実際には、小さな子どもが落ちる、高齢の家族がつまずく、掃除機が段差に引っかかるといった使いにくさを感じる場面も多いようです。
段差があると、家具の配置が限られてしまったり、将来リフォームを行う際の制約になったりすることもあります。
最近は、ラグやジョイントマットで手軽に和の空間を演出する家庭が増え、あえて造作の小上がりを設けない住まいも増えています。
4. 扉付きのクローゼット
一見スッキリ見える扉付きクローゼットも、見直されつつある設備のひとつです。
「開け閉めが地味に面倒」「扉を開けたままだと通路が狭くなる」といった、小さなストレスが積み重なりやすいためでしょう。
とくに子ども部屋や寝室では、ハンガーパイプと棚を組み合わせたオープンクローゼットや、必要に応じてロールカーテンで目隠しするスタイルが増えています。
ロールカーテンなら必要なときだけサッと隠せて、普段の出し入れもストレスなく行えます。
収納は見た目だけでなく、「片付けやすさ」や「使いやすさ」を重視したいところです。
5. 安価な窯業系サイディング
外壁材として一般的な窯業系サイディングですが、価格重視で選ばれがちな低グレード品は、近年では選択を避ける人が増えています。
数年で塗膜が傷みやすく、7〜8年ほどで劣化が目立ってくるケースが多いためです。
結局は塗り直しや補修の手間が増え、長期的にはコストの負担が大きくなる可能性もあります。
最近は、塗膜が長持ちし、美しい外観を30〜40年保てる高性能な外壁材に注目が集まっています。
初期費用の安さだけで判断せず、将来のメンテナンス費まで考慮することが重要です。
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6. 掘りごたつ
掘りごたつは和の趣があり、足を下ろしてゆったり座れる快適さから、かつては多くの家庭で好まれていました。
しかし期待に反して、実際には不便さを感じる場面が多いという声も聞かれます。
たとえば、食べこぼしの掃除には手間がかかり、中に潜らないと届かない場合もあります。
さらに、床に埋め込まれているため、レイアウトの自由度が下がる点もネックです。
最近では全館暖房が主流となり、掘りごたつの必要性は以前よりも薄れてきています。
雰囲気の良さに心を惹かれても実際に使う機会がどれだけあるのか、冷静に見極める姿勢が大切です。
「もういらない」と言われる設備に共通する3つの理由
ここまで取り上げてきた設備は、いずれも一時期はよく選ばれていたものです。
それにもかかわらず、今では「もういらない」と言われる場面が増えています。
背景には、暮らしの変化に伴い、設備を選ぶ際に重視される基準や価値観が変化してきたことがあります。
ここでは、共通する背景を3つの観点から見ていきましょう。
1.メンテナンスや将来コストへの意識が高まった
これまでの家づくりでは、初期費用をなるべく抑えることが重視されてきました。
しかし最近では、暮らし始めてからの維持費や、長期的な使い勝手まで視野に入れて設備を選ぶ人が増えています。
たとえば、塗装の劣化が早くてメンテナンスに手間がかかる外壁材や、断熱性が不十分で冷暖房効率の悪い窓は、将来的なコスト増につながります。
これからは、「今どれだけ便利か」ではなく、「将来も快適に使い続けられるかどうか」を見極める目が求められます。
2.断熱性・気密性の進化で不要になる設備が増えた
最近の住宅では、断熱性や気密性が大幅に進化し、家全体で室温を安定させやすくなっています。
その結果、かつて当たり前だった設備の中には、現代の住まいには不要とされるものも出てきました。
たとえば、冬の寒さ対策として重宝されていた掘りごたつや、アルミサッシと単板ガラスの窓は、高断熱仕様の住宅では採用される機会が減少しています。
住宅の基本性能が向上した現在では、補助的な設備に頼らずとも快適に過ごせる間取りが一般的になりつつあります。
3.暮らしの変化とミニマル志向が後押しに
コロナ禍を経て自宅で過ごす時間が増え、「本当に必要なものだけに囲まれた暮らし」を望む人が多くなりました。
さらに、片付けやすさや掃除のしやすさといった、日々の手間を減らす視点からミニマル志向も広がりを見せています。
たとえば、高い位置にある吊り戸棚のような使いにくい収納は敬遠され、手が届く高さの棚や引き出し収納などが好まれる傾向です。
また、見た目よりも実用性を重視し、必要最小限の設備に絞ったシンプルな間取りが支持を集めています。
「いつか使うかもしれない」ではなく、「今の暮らしに本当に必要かどうか」というリアルな基準で設備を選ぶ時代に変わりつつあるといえるでしょう。
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注文住宅で後悔しない設備選び4つの新基準
注文住宅の設備選びでは、「なんとなく便利そう」「多くの人が採用しているから」といった印象で判断してしまうケースも少なくありません。
しかし、後悔しない家づくりには、自分たちの暮らしに本当に合っているかどうかを基準にする視点が重要です。
ここでは、これからの設備選びで意識したい4つの新基準を紹介します。
暮らしの中で「毎日使うかどうか」で判断する
見た目の印象や「なんとなく便利そう」といったイメージだけで判断せず、日々の暮らしの中で本当に必要かどうかを基準に考える姿勢が大切です。
たとえば、吊り戸棚のように踏み台がないと使い勝手の悪い収納は、次第に使われなくなるケースも珍しくありません。
キッチンや洗面台のように毎日使う場所こそ、使いやすさを優先して設備を選ぶことが、快適な住まいづくりにつながるでしょう。
10年・20年後も使いやすいかで見極める
目の前の便利さだけでなく、将来のライフステージを見据えて設備を選ぶ視点も欠かせません。
たとえば、子どもが成長したときや、自分たちが年齢を重ねたときに、
- 高い位置の収納が使いにくくなっていないか
- メンテナンスの手間が負担になっていないか
といった点を想像してみると、長く快適に使えるかどうかが見えてきます。
とくに30代で家を建てる方にとっては、これから20〜30年の暮らしを支える選択が求められるでしょう。
掃除やメンテナンスのしやすさも忘れずに
どんなに見た目が良くて機能的でも、掃除やメンテナンスが大変だと、日常の中でストレスの原因になりがちです。
たとえば掘りごたつは足を下ろして座れる快適さが魅力的な一方で、内部の掃除がしにくく、実際には使いにくいと感じる人も少なくありません。
また、外壁材を価格重視で選んだ場合、劣化が早く進みやすく、こまめな塗り直しが必要になるなど結果的に維持費や手間がかさむ可能性もあります。
設備を選ぶときは、見た目や初期費用だけでなく、「自分で掃除しやすいか」「メンテナンス費はどのくらいかかるか」 といった視点も持っておくと、後悔のない選択につながるでしょう。
外した設備を「別の方法で代替できるか?」も考える
「やはり付けておいたほうが安心かも」という迷いから設備を追加したくなる場面もありますが、まずは本当に必要かを見直し、他の方法で代用できるかを考える姿勢が大切です。
たとえば、小上がり和室を設けなくてもジョイントマットやラグを使えば、似たような落ち着いたスペースを簡単につくれます。
吊り戸棚がなくても、パントリーや引き出し収納を工夫すれば、使い勝手の良い収納スペースを十分確保できます。
あれもこれもと詰め込むより、必要な設備を厳選して予算をかけるほうが、満足度の高い住まいづくりにつながるでしょう。
まとめ|今の暮らしに合う設備を見極めよう
注文住宅の設備は、導入後に簡単に変更できるものではありません。
後悔を避けるには、自分たちにとって必要かどうかを冷静に判断する姿勢が重要です。
かつては定番だった設備も、住宅性能や暮らしの変化により選ばれなくなっています。
- 毎日、使う場面があるか
- 将来も無理なく使い続けられるか
- 掃除やお手入れがしやすいか
- 他の方法で代用できないか
ひとつずつ丁寧に見極めながら、 暮らし方にフィットする設備選びを楽しみましょう。