掃除しやすい家の作り方とは?家事の時短を叶える間取りと素材・設備の選び方をわかりやすく解説
「掃除が大変」「部屋がすぐ散らかる」と感じるのは、住まいの設計に原因があるかもしれません。
掃除がしやすい家は、清潔を保ちやすく、家事の時短にもつながる理想的な住まいです。
この記事では、掃除のしやすさを左右する間取りの工夫や素材選びのポイントを厳選してご紹介します。
家づくりで後悔しないためにも、快適さと実用性を兼ね備えた住まいのヒントをぜひチェックしてみてください。
掃除しやすい家の特徴とは?3つの基本ポイント
毎日の掃除を少しでもラクにしたい方にとって、家の設計や素材選びは非常に重要なポイントです。
掃除のしやすさは、間取りや収納、使われている素材によって大きく左右されます。
まずは、掃除しやすい家に共通する主な特徴を3つ確認しておきましょう。
1.フラットで段差のない間取り
部屋と部屋の間に段差がないフラットな構造なら掃除機やモップがスムーズに動かせるため、掃除のストレスが大きく軽減されます。
とくにお掃除ロボットを活用するご家庭では、段差の有無が掃除効率に直結します。
家づくりの段階で、廊下やドア枠に段差が生じないよう配慮した設計を心がけましょう。
2.動線に沿った収納配置で片づけがしやすい
物が出しっぱなしになっていると、掃除の前に片づけが必要となってしまいます。
あらかじめ動線に沿った収納を配置しておけば自然と片づき、床の上がすっきりとした状態を保つことが可能です。
リビングやキッチンのように物が集まりやすい場所は、日常使いの収納を計画的に設けると掃除の負担が減ります。
3.素材や設備が手入れしやすい
防汚や撥水、抗菌機能のある素材を取り入れることで、汚れにくくなり、日々の掃除も手軽になります。
たとえば、キッチンパネルや抗菌仕様のバスタブ、上吊り式の建具を選ぶと、掃除にかかる時間を大幅に短縮できます。
掃除のしやすさは、設計だけでなく素材選びの段階でも大きく左右されることを意識しておきましょう。
掃除しやすい家を実現する間取りと収納の工夫5選
掃除のしやすい家をつくるには、間取りの形や収納の配置をどう設計するかが大きなポイントとなります。
毎日の掃除をラクにするためには、暮らしに合わせた工夫が欠かせません。
ここでは、家づくりの初期段階から意識しておきたい5つのアイデアを紹介します。
凸凹のないシンプルなレイアウトで掃除の手間を最小限に
部屋に出っ張りやくぼみが多いと、掃除機が引っかかってホコリが残りやすくなります。
お掃除ロボットも複雑な形は苦手なため、手作業の手間が増える原因です。
掃除のしやすい家にしたいなら、壁の凸凹を減らしたシンプルな間取りがおすすめです。
家具の配置も含めて、できるだけすっきりとした空間にすると、掃除のしやすさが大きく変わります。
設計段階でフラットな部屋づくりを意識するだけで、毎日の掃除にかかる時間とストレスを大きく減らせます。
回遊動線を取り入れて、掃除機がかけやすい間取りに
突き当たりのある廊下は、掃除機をかけるたびに行き止まりで引き返す必要があり、ストレスを感じやすいポイントです。
また、ホコリがたまりやすく、掃除を後回しにしがちになるという課題もあります。
掃除のたびに何度も向きを変える動作が続くと、それだけで面倒に感じてしまう人も少なくありません。
掃除のしやすさを重視するなら、ぐるっと回れる「回遊動線」を取り入れた間取りがおすすめです。
動線がスムーズになるだけでなく、廊下の面積も減らせ、掃除の負担を大きく減らせます。
床に物を置かずにすむようにリビング収納を充実させる
家族が集まるリビングは、物が集まりやすく散らかりやすい場所です。
お子さんのおもちゃや書類、薬、充電コードなどが出しっぱなしになると、掃除のたびに片づけが必要になり手間がかかります。
そこでおすすめなのが、日常的に使うものを収納できる「ファミリー収納」をリビング内に設けることです。
誰でも片づけやすい場所に収納があると、自然と「元に戻す」習慣が身につきやすくなります。
使う場所の近くに収納があるだけで物が床に散らかりにくくなり、掃除がスムーズにるのもメリットです。
家事動線と収納をセットで考えると片づけがラクに
掃除をスムーズにするには、物が自然と片づけられる収納の配置が重要です。
なかでも、家事や生活の動線に沿った収納計画は、散らかりを防ぎ、掃除の手間も減らせます。
たとえば、「洗面室→ランドリールーム→ファミリークローゼット」と直線的につなげれば、洗濯から収納までが一連の流れで完結できます。
洗濯物が途中で散らからず、床掃除もラクになるでしょう。
片づけやすい家は、結果として掃除しやすい家にもつながります。
掃除しやすい家に導く素材と設備の選び方
間取りだけでなく、素材や設備の選び方も掃除のしやすさに大きく影響します。
ここでは、日々のお手入れをラクにするために取り入れたい5つのポイントを紹介しましょう。
注文住宅の設計段階で意識しておけば、将来的な掃除のストレスをぐっと減らせます。
掃除しやすい床材(撥水・防汚)
床材の選び方は、掃除のしやすさに直結するポイントです。
撥水や防汚加工がない素材は汚れが染み込みやすく、日々の手入れに手間がかかります。
たとえば、無垢材や畳は風合いの良さが魅力な一方で、汚れが落ちにくく、日々の掃除に手間がかかるという点がデメリットです。
掃除をラクにしたいなら、汚れにくくお手入れしやすい床材を選びましょう。
洗面所や脱衣所には撥水性のあるクッションフロア、キッチンやリビングには掃除しやすい挽板フローリングなどが適しています。
家づくりの段階で床材の特徴を知っておくと、将来の掃除のストレスがぐっと減らせます。床選びのポイントをわかりやすくまとめた記事もぜひご覧ください。
後悔しない床材の選び方ガイド!6種類の特徴と失敗例から学ぶ選び方のポイントを徹底解説
お手入れがラクなキッチンパネルや浴槽
汚れやすい場所には、防汚・撥水・抗菌といった機能を持つ素材や設備を選ぶことが、掃除の負担を減らす近道です。
たとえば、水や油を弾く素材のキッチンパネルを選べば、簡単に汚れが落ちてお手入れもラクになります。
抗菌仕様のバスタブも、カビや皮脂汚れがつきにくく、こまめな掃除をしなくても清潔を保ちやすいのが魅力です。
さらに、洗面脱衣室には防カビタイプの壁紙を、玄関には水はけがよく滑りにくいタイルを採用すると、毎日の掃除がスムーズになります。
上吊りドアや引戸のメリット
ドア周りはホコリがたまりやすく、床にレールのある引戸は、隙間にゴミや髪の毛が入りやすいという点がデメリットです。
細い溝にたまったホコリは掃除機では取りきれず、こまめな手入れが必要となります。
そこでおすすめなのが、床にレールのない「上吊りタイプの引戸」です。
床がフラットになることで、掃除機やモップがスムーズに動き、掃除のストレスが一気に減ります。
お掃除ロボットとも相性がよく、部屋のすみずみまでしっかり清掃できるのも嬉しいポイントです。
調色照明で掃除し残しを防ぐ
オレンジ色のやわらかな照明は落ち着いた空間づくりに最適な一方で、ホコリや汚れが見えにくいという点には注意が必要です。
実際、「掃除したのに、朝見たら汚れが残っていた」というケースも少なくありません。
掃除のしやすさを重視するなら、白い光の「昼白色」照明が適しています。
ゴミが見えやすくなり、やり残しを防ぎやすくなります。
お部屋の雰囲気にもこだわりたい方は、調色機能付きの照明を選ぶのがおすすめです。
掃除のときは白い光、くつろぐときは暖色と、シーンに応じて使い分けができます。
浴室の窓は掃除のしやすさも要チェック
浴室に窓があると換気に良さそうに思えますが、引違い窓はレールに水や汚れがたまりやすく、掃除が大変というのがデメリットです。
細い溝は掃除道具が入りにくく、身をかがめて汚れを取る必要があるため、腰への負担も大きくなります。
掃除をラクにしたいなら、レールのない滑り出し窓がおすすめです。
最近では、換気は換気扇に任せ、窓をつけない設計も増えており、防犯やプライバシーの面でも人気があります。
家づくりの際は、見た目や通風だけでなく、掃除のしやすさも含めて窓の形状や有無を検討しましょう。
大開口の窓は掃除の手間を考えて工夫を
大きな窓は光をたっぷり取り込み、部屋に開放感を与えてくれる魅力的な設備です。
ただし、ガラス面が広いと汚れが目立ちやすく、掃除の手間が増える問題もあります。
掃除の際は、室内側にマイクロファイバー付きのT字型ワイパー、外側には伸縮式の水切りワイパーを使うと便利です。
重い道具は腕が疲れやすいため、軽量タイプを選ぶのがポイントです。
仕上げにガラス用のコーティング剤を使えば、汚れがつきにくくなり、掃除の頻度を減らせます。
大開口の窓は快適さを高める一方で、お手入れや断熱性の工夫も欠かせません。
掃除・断熱・防犯など、用途に合った窓の選び方については以下の記事も参考になります。
注文住宅の窓選びで後悔しない!ガラスとサッシの種類や選び方のポイントをわかりやすく紹介
掃除しやすい家を保つ外構と通風の工夫
掃除しやすい家づくりでは、室内だけでなく、外周りや空気の流れにも目を向ける必要があります。
外構や通風の工夫によって、汚れやホコリがたまりにくくなり、家全体を清潔に保てるためです。
ここでは、掃除の手間を減らすために役立つ、外周りと通風に関する3つのポイントを紹介します。
雑草対策で外回りの手入れもラクに
室内だけでなく、外構の手入れも快適な暮らしには欠かせません。
庭や玄関周り、駐車スペースなどは雨風の影響を受けやすく、雑草や汚れが発生しやすい場所です。
とくに春から秋にかけては雑草の成長が早く、放置すると見た目が悪くなるだけでなく、掃除の手間も増えてしまいます。
対策としては、防草シートやコンクリート舗装で雑草の発生を抑えるのがおすすめです。
さらに、落ち葉の少ない植栽や、掃除の必要がないメンテナンスフリーのフェンスやブロックを選べば、外周りの手入れが一段とラクになります。
外構は、掃除だけでなく快適性にも大きく影響します。
とくに中庭のある間取りでは、通風・採光・掃除のしやすさを事前にしっかり検討しておくことが大切です。
中庭の注意点を徹底解説!後悔しない家づくりに役立つ7つのチェックポイントと注意したい落とし穴
通風を考えた窓配置でカビや湿気を予防
風通しのよい家は湿気やホコリがこもりにくく、カビの発生を防げるため、掃除の手間も大幅に軽減できます。
とくに梅雨や夏場など湿度の高い季節には、その効果を実感しやすいでしょう。
通風性を高めるには、部屋の対角線上に2つの窓を設ける配置が理想となります。
自然な風の流れが生まれ、効率よく換気できるためです。
対角に窓を設けるのが難しい場合は、同じ壁面で窓の高さをずらすだけでも、空気の循環が促されます。
窓の位置に気を配るだけで、部屋干しの乾きやすさやカビ・ニオイの抑制にもつながり、より快適な空間を保てます。
ゴミやホコリのたまりにくい玄関周り
玄関は外からのゴミや砂埃が最も入りやすく、家の中でも汚れやすい場所のひとつです。
そのため、掃除のしやすさを意識した設計や素材選びが重要となります。
たとえば、土間部分を広めに設けると、靴を脱ぎ履きする際の動線にゆとりが生まれ、汚れの飛び散りを防ぐのに効果的です。
目地が少なく、砂がたまりにくいタイルを選べば、ホウキや掃除機での掃除がしやすくなります。
玄関ドアにスリットや通気口を設ければ、こもりがちな湿気やニオイを逃がしやすくなり、梅雨時期や来客後の蒸れた空気もすっきりとリセットできるでしょう。
掃除のしやすさと合わせて、「安心して暮らせる家かどうか」も見逃せないポイントです。とくに玄関周りの設計は、防犯性にも直結します。
家族を守るために、あわせてこちらの記事も参考にしてみてください。
家の防犯対策7選!泥棒が嫌がる家の特徴と安心して暮らせる空き巣対策のポイントを徹底解説
まとめ|掃除しやすい家は、家族にやさしい家
掃除のしやすい家は、見た目の美しさだけでなく、無理なく清潔を保てる「暮らしやすさ」も兼ね備えています。
日々の掃除にかかる手間が減ると家事の負担も軽くなり、家族との時間や自分の時間にゆとりが生まれます。
共働きや子育て中のご家庭にとって、掃除がしやすいという視点は快適な暮らしに直結する重要なポイントです。
間取りや素材選びを少し工夫するだけで、将来にわたって掃除のストレスを大幅に軽減できます。
注文住宅を検討する際は、デザインだけでなく、掃除のしやすさも判断基準に加えてみましょう。